

PTSDを考える――映画『オデュッセイア』と『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』
映画『オデュッセイア』を見ました。『メメント』や『インセプション』などで知られるクリストファー・ノーラン監督が、ホメロスの『オデュッセイア』を映画化したものです。 「トロイの木馬」で知られるトロイア戦争での勝利から、故郷への帰還を描いた物語ですが、その帰還は困難を極めます。友好の情を逆手に取るという「トロイの木馬」作戦は、“勝つためなら何をしてもよい”という価値観を人間の世界に持ち込むことになるのですが、これはまさに地獄の釜の蓋を開けるような行為であり、帰還の旅は神々による地獄巡りのような様相を呈します。 ノーラン映画らしいなあと思うのは、旅を振り返ってオデュッセウスが語るという次元と、実際に起きていることがシャッフルされて一つの物語になっていること、それ故に最初は登場人物同士の関係や固有名詞の持つ意味がわからないこと、見ていくうちに徐々にその関係性がわかってくること。 しかし、このような全体の構成は、“ノーランやなあ”という以上の効果を持つように思いました。それは、神々による試練や妨害が、神という超自然的な存在によってもたらされた他者と共

心理臨床オフィス ポーポ
21 時間前読了時間: 3分








