

読書メモ:ウィニコット(1965/2022)『成熟過程と促進的環境』(大矢泰士訳)岩崎学術出版社
対象関係論のメラニー・クラインの後継者でありながら、それにとどまらず自らの理論を展開させていったウィニコットの論文集。「偽りの自己・本当の自己」「一人でいられる能力」などウィニコットの代表的理論を知ることができ、子どもの心理臨床を学ぶうえでは『遊ぶことと現実』等とともに必読であると思われます。 *** クラインとともに乳幼児期の心的発達の重要性を説いたものの、クラインほどには内界のファンタジーに依らず、タイトルにあるように「促進的環境」を重視したウィニコット。養育者に依存しながら漸進的に心理的自立が進むとウィニコットは考えますが、本書の白眉は以下の点にあると読みました。 イド衝動が有意義になるのは、それが自我生活の中に包容(コンテイン)されるときだけである、という点については一般的に同意を得られると思う。イド衝動は、弱い自我を混乱させ、強い自我を強化する。イド-関係は、自我-関係性の枠組みのなかでおこるとき、自我を強化する、と言える。もしこのことを受け容れるなら、一人でいられる能力の重要性も理解されるはずである。乳幼児が彼自身のパーソナルな生

心理臨床オフィス ポーポ
11 時間前読了時間: 3分








